お久しぶりです。15代目副代表の名護青凱です。このコラムを書きながら、もう終わるのだなあと感慨深くなっています。いつも冷めていると言われる私ですが、実は意外と感傷に浸るときもあるのです。SAPもゼミの大会も終わり、残されたビックイベントは就活のみとなってしまいました。最近、先輩に勧められて自己分析を始めたところです。就活生にとって必須となるものですが、私はどうしても好きになれません。どれだけ時間をかけても、自分が何者なのかはっきりと掴めないのです。適性検査の性格診断も、答えている途中で矛盾が起きてしまいます。早く就活を終わらせて、SAPのメンバーと遊びに行きたいと思う毎日を過ごしています。
さて、SAPに入って3年が経ちましたが、同期の皆が見違えるほど逞しくなったなあと感じます。幹部として、同期には非常に助けられました。例えば、私の大親友であるO杉という男がいます。1年生の頃は自他共に認めるポンコツキャラで、皆に愛されていました。しかし、3年になると徐々に頭角を現し、今では後輩から頼りにされる部署長になっています。彼と副部署長であるM下が作り上げた15代目の地域施設部署は、SAP史上最高の部署になりました。もちろん、彼にもともと力があることは知っていましたが、友達に見せる姿と後輩の前での姿のギャップに驚きました。
そういえば、私自身も同じような経験があります。SAPもゼミも同じ後輩から、「ゼミでの名護さんと、SAPでの名護さんが違いすぎて驚いた」と言われたのです。実は、SAPでは寡黙でクールなキャラを演じていましたが、ゼミではいじられキャラを務めています。教授に一発芸やすべらない話を振られたときはやりますし、案外嫌ではないのです。言われるまで気づきませんでしたが、私にもギャップがあるようです。
これらの経験から、人間は相手との関係性によって変化するものなのだと感じました。自己分析をしても自分が何者かはっきりしないのは、自己が相手との関係性の中に存在するものだからだと思います。相手が自分に対して抱いているイメージが態度や言葉を通じて自分に伝わり、それが自己となるのではないでしょうか。つまり、自己とはコミュニティの数だけ存在しているものであり、場面によって微妙に変化するものだと言えます。だから、企業の適性検査や自己分析などで正確に捉えることができないのだと思います。SAPの同期も、1年で能力が上昇したというよりは、後輩たちとの間で「頼りがいのある先輩」という自己が形成され、それに沿って皆の能力が目覚めたのではないかと思うのです。私たちが成長できたのは、自分達を暖かく受け入れ慕ってくれた素敵な後輩たちのおかげに違いありません。
真面目な話になりましたが、SAPでの3年間を通じて、自己が想像以上に不確実なものだということを学びました。この歳になると確固たる自分像があるように感じ、その枠を超えた行動を取らなくなってしまいました。ですが、意思さえあれば案外すんなりと人は変われるのかもしれません。これからは自分をあまり定めすぎず、まずはなりたい自分像を演じてみようと思います。
最後に私が1年間幹部を頑張れたのは、幹部・部署長をはじめとした頼りになる同期たちと、素敵な後輩たちのおかげです。そしてSAPが活動を続けられるのは、地域の方々の大きな支えと、大学側の協力があってこそだと思います。皆様に心より感謝申し上げます。
第15代副代表 名護青凱